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99ドルで最高峰の音質のドングルDAC:Schiit Vestri

Roon ARC

99ドルで最高峰の音質のドングルDAC:Schiit Vestri

Xでアメおじさんという方が紹介してくださっていて話題になっていた
Schiit Vestriを購入してみました。

国内未発売でSchiit Audioから直接購入する形になります。

アメおじさんのアドバイスで、国内クレジットカードだとはじかれるという
お話だったのでPaypal経由で購入しました。

送料は一番安いのを選んで40ドル弱でトータル約140ドル、約23000円でした。
約5日ほどで届きました。
受け取った際に関税等は請求されませんでした。

音には、正直驚きました!価格を考えるとあり得ない高音質です。
VestriはES9018というESSの旧式DACチップを使っているのですが
とてもそんな旧世代の音とは思えません。

Vestriは”唯一のポータブルMesh”と製品タイトルにある通り
Schiit独自のMesh DACと言って、
DAC前段にSchiit独自の時間軸、周波数特性の正確さを重視した
デジタルフィルターが肝のようですが、これが他のDACとは異なり
極めて自然で有機的な音です。

解像度キレキレ、迫力マシマシ、みたいなスペック重視の音ではなく
派手さはなくただただ自然でいつまでも聴いていられる脚色のない心地よい音です。

Mesh DACとは

販売ページのFAQに載っていたMeshの説明です。

「Mesh」とは?

Meshとは、当社独自の時間領域および周波数領域に最適化されたデジタルフィルターを、より小型で手頃な価格のDACに搭載するための取り組みです。実は、「Bifrost」以降のすべてのSchiit製DACには、数十年にわたって開発され、高価なアナログ機器用DSPに実装された、当社独自のアルゴリズムが採用されています。これは、マイク・モファットが「メガコンボブリトー」と呼んだフィルターであり、当社のDACのサウンドを形作る重要な要素です。今回、このフィルターを32ビットのUnison USBマイクロプロセッサに実装し、標準的なデルタシグマ変調器と組み合わせることで、独自のデジタル・アナログ変換方式を実現し、より手頃な価格の製品にこのフィルターを搭載する方法を見出しました。

Vestri

Mesh DACについて興味があって調べていたら
オーストラリアのオーディオ系YoutuberのPassion for Soundさんが
Schiit Audio社長のジェイソンさんにインタビューしている動画があり
全編興味深かったのですがMesh DACについての部分だけを引用します。

独自デジタル技術「Mesh」の誕生と驚きの音質 [07:28]

聞き手:
では、今回の本題である「Mesh(メッシュ)」テクノロジーについて深掘りしていきましょう。私の「Mimir」のレビューを見ていない方のために説明すると、私はあの300ドル(仕上げによって異なる)のDACの音に度肝を抜かれました。

なぜジェイソンとこの対談をセットアップしたかというと、私は「Mimir」と、より上位の「Bifrost 2(バイフロスト2)」を比較テストした際、意図せず「ブラインド・テスト(目隠しテスト)」の状態になってしまったんです。私はブラインド・テストの価値は認めつつも、時間をかけて機材を行き来し、自分の先入観に挑戦すれば、必ずしも必須ではないと考えています。

しかしその時は、まったく同じXLRケーブルを同じアンプに繋ぎ、どちらをインプット1と2に挿したか忘れてしまいました。音を聴きながら「うん、分かりやすい。こっちの方が明らかに良いからBifrost 2だな」と思ったんです。しかし、確認してみたら、自分が『音が良い』と感じたのは、実は価格の安いMimirの方だったんです。驚いてジェイソンに「一体何をやったんだ? Mimirにどんな魔術を詰め込んだんだ?」とメールを送りました。これがきっかけです。

この独自のフィルタリングは、デルタシグマ・チップの「前」と「後」のどちらに適用されているのでしょうか?

ジェイソン:
デルタシグマ・チップの「前」です。実際、私たちはDACチップの内部機能(サンプルレート変換や内蔵デジタルフィルターなど)をすべてオフにしており、デルタシグマ・モジュレーター(変調器)の部分「だけ」を使っています。既製のチップにある複雑なブロックを無視して、「変調器だけをこちらに貸してくれ」という使い方です。そして、私たちが独自に組んだデジタルフィルターの出力を、そのモジュレーターに直接送り込んでいます。

これにも名前をつけようと苦労したのですが、Schiitの共同創設者であるマイク・モファットは、かつてこれを「スーパー・コンボ・ブリトー・フィルター(Super Combo Burrito Filter)」と呼んでいました。これは昔のマルチビットDACの時代(時間ドメインと周波数ドメインの両方を最適化した独自のデジタルフィルター)の話です。これが標準的なデジタルフィルター(Parks-McClellanアルゴリズム派生のもの)とは全く異なる特性を持っています。

これが絶対に正しいアプローチかどうかは別として、マイクは「これが唯一の正解だ。8種類ものフィルターを切り替えるようなチャラチャラした機能は付けない。これが俺たちのフィルターだ」と言っています。

その後、「Yggdrasil(ユグドラシル)」の進化系(Singular)の開発に入り、独自のデルタシグマ・モジュレーターを実装してこのフィルターと組み合わせた時、驚くほど音が良かったんです。マイクとデジタル責任者のデイブは、「音の大部分を決めるのはデジタルフィルターだ」とずっと言っていました。彼らは長年「マルチビットこそが至高だ」と言い続けていましたが、かつてTheta Digital(マイクが以前在籍していた会社)の時代にも、独自のデジタルフィルターと1ビットDACを組み合わせたことがあり、「あれも悪くなかったな」と思い出したんです。

そこで私が「じゃあ、それを今再現できないの?」と聞くと、彼らは「いや、それは無理だよ」と言いつつ、「待てよ、ESS社のチップなら、デルタシグマ・モジュレーターに外部から個別にアクセスできるぞ」と気づいたんです。私はデジタル回路の専門家ではありませんが、「最高苦情責任者(Chief Complainer)」として、「じゃあ試してみようよ」と提案しました。

最大のトリックは、このデジタルフィルターの簡易版を、Unison USBレシーバーで使っている「標準的なMicrochip社製の32ビット・マイクロプロセッサ」の中で動かせたことです。高価なDSPチップやFPGAを追加する必要がなく、ファームウェア(プログラム)の工夫だけで実装できたため、コストがほぼかかりませんでした。結果は予想を遥かに超える素晴らしいものでした。

私が「じゃあ、これを製品化して売ろう」と言った時、スタッフは「そんなことをしたら上位モデルのBifrostが売れなくなって壊滅する(Destroy Bifrost)」と心配しました。でも私は「自分たちの過去の製品を殺すことなんて、これまで一度も気にしたことはない。BifrostはBifrostでまた新しくすればいい」と言って、そのまま発売しました。おかげさまで大成功を収め、今では「Jotunheim」のMesh DACカードや「Asgard」のカードなど、すべてのモデルに展開しています。現在、私たちは既製のDACチップをそのまま(フル機能で)使っている製品は一つもありません。すべてモジュレーター部分だけを使用しています。

Why Schiit Audio stopped using ‘off the shelf’ components – interview with Jason Stoddard

SchiitのエントリーDAC、Mimirは299ドルなのに、
799ドルの上位機種Bifrost 2を超えていると複数のレビュアーが言っています。

他のレビュアーも、「Schiitは上位機種のテクノロジーを下位機種に流用して
下位機種が上位機種を凌駕する音質を実現している、このメーカーはクレイジーだ!」
みたいに書かれているのを読みました。

このSchiitというメーカーは次々に新製品を出して売上を最大化するのではなく
適正利益でユーザーが長く使い続けられるものを作る、
みたいな企業理念を持った企業のようです。

だからいくら99ドルでも使われているテクノロジーやクオリティは
同価格帯のドングルDACを圧倒していると思います。

Schiit Vestriの使い方

ただはじめてのポータブルDACのようで使い勝手に癖があります。
タッチスクリーンなのですがロックをしないと
持ち運びの際にどこかに触れて爆音になります。

初期にはロック機能がなかったようですが
ユーザーからの声を受けてロック付きにしたそうです。

使い方はSchiit公式がYoutubeで動画を出しています。
日本語音声も選択できます。

Schiit Vestri 101: Basic Usage

持ち運びの際はロックをしないと不安です。
あと屋外だとスクリーンのライトが見えません。
ポータブルDACは物理ボタンでないとやはり使いにくいですね。

Schiitによると長く使い続けられるよう、故障しないように
物理ボタンやスクリーンを搭載しなかったとありました。

そのあたりの使い勝手が解消されれば最高のDACだと思います。

ちなみにバッテリー消費は、DC-Eliteのような他の音質を重視した
ドングルDACと同じで、iPhone16だと1時間でだいたい20%ぐらい消費します。
これは音質を重視すればスマホ給電いっぱいいっぱい使おうとするのでどれも同じだと思います。
あと本体が結構熱くなります。

でもそういったことも含めて、
Roon ARCで外で音楽を聴くのにとても優れたドングルDACです。
軽いし持ち運びも苦になりません。

DACポケットなども試しましたが、
外ではボリュームを微調整したりロックする必要があるので、
100均などで売っているMagSafe用のリングシールを本体に貼って使うのが最適解でした。
本体は保護できませんが、ボリューム調整やロックがそのまま使えます。

あと注意ですが、USB-Cネイティブの機器しか動作しないそうです。
iPhoneもライトニング端子のものにアダプタを使ってだと動作しないようです。
外部電源を入力すれば可能かもしれません。

パソコンから再生したら、iPhoneよりも電力に余裕があるのか
よりパワフルな音で再生できました。
外部電源を使えばより高音質で再生できそうです。

海外から購入するハードルはありますが、
他のドングルDACとは一線を画す音質でおすすめします。

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